WORLD BEERワールドビール ビールを探す

BELGIAN BEER STYLES

ダブル・トリプル・クアドルペルとは?ベルギービールの名前と味の違い

2026年10月26日

ダブル・トリプル・クアドルペルの違いを、褐色・黄金色・濃褐色のグラスで表したイメージ

ベルギービールのラベルで見かける「ダブル」「トリプル」「クアドルペル」。数字が大きいほど黒く、甘くなると思っていませんか?実は、褐色のダブルに対してトリプルは黄金色が代表的で、明るい見た目でも度数は高めです。名前は強さの単純な倍率ではなく、香りや後味を選ぶ手がかり。この記事では3タイプの違いと紛らわしい名称を整理し、好みに近い1本を探す方法を紹介します。

まず結論|ダブル・トリプル・クアドルペルの違い

ダブル

褐色の麦芽感と果実を思わせる香り。

トリプル

黄金色の華やかさとドライな後味。

クアドルペル系

濃密な香りを少量ずつ楽しむ候補。

典型的な傾向であり、商品差があります。甘さや苦味の順位、品質の上下を決めるものではありません。

ダブル(Dubbel/デュベルなどの表記もある)は、銘柄のデュベル(Duvel)とは別の言葉です。トリプルはトリペル、クアドルペルはクアドルプルとも表記されます。購入時は日本語の響きだけでなく、ラベルのつづりと正式な商品名も確認しましょう。

比較表は横にスクロールして読めます。

色・香り・度数の典型的な目安
見るポイントダブルトリプルクアドルペル系
色褐色・赤銅色系黄金色・淡い琥珀色系琥珀〜濃褐色系
香り麦芽、カラメル、乾いた果実を思わせる果実やスパイスを思わせる華やかさ豊かな麦芽、熟した果実やドライフルーツを思わせる
甘みと後味甘い香りでも後味は比較的ドライ丸みがありつつドライな後味ドライなものからやや甘いものまで幅がある
苦味の傾向控えめ〜中程度苦味とキレを感じやすい控えめ〜中程度
度数の目安6.0〜7.6%7.5〜9.5%8.0〜12.0%※
選ぶポイント香ばしさと果実香明るい色でも度数を確認香りの厚みと甘さの残り方

度数はBJCP 2021の参照範囲です。※クアドルペル系の欄は、重なる分類であるBelgian Dark Strong Aleの目安であり、クアドルペル全商品に共通する定義ではありません。範囲外の製品が不正という意味でもなく、実際に買う商品のラベルを優先してください。

ダブル

褐色系

トリプル

黄金色系

クアドルペル系

琥珀〜濃褐色系

ダブル、トリプル、クアドルペル系の典型的な色を比べた模式図。特定商品の実物色ではなく、商品差があります。名前の順に濃くなるわけではありません。
褐色の麦芽感が気になる

↓ ダブルから探す

華やかさとドライさが気になる

↓ トリプルから探す

濃密な香りをゆっくり楽しみたい

↓ クアドルペル系から探す

好みから選ぶ入口。迷ったら度数と個別商品情報も確認しましょう。

名前の数字は何を意味する?2倍・3倍・4倍ではない

麦芽量・度数・発酵回数の単純な倍率ではない

これらの名称に、すべての醸造所が従う共通の倍率ルールはありません。「一般的なビールの度数を3倍にすればトリプル」と計算したり、「クアドルペルだから4回発酵」と判断したりはできません。比較表の度数帯にも重なりがあります。

瓶内二次発酵は、瓶の中で酵母が再び働く製法の説明です。Westmalleのダブルとトリプルはいずれも瓶内で再発酵しますが、名前がその回数を示すわけではありません。「何というタイプか」と「どう造るか」を分けると混乱を減らせます。

歴史の話と現在の商品表示を分けて読む

一方で、数字と原料の話がすべて無関係だった、とも言い切れません。Westmalleは自社のDubbelについて、修道士のための元の軽いビールから材料を倍にしたことに名称の由来があると説明しています。これは個別の歴史であり、現在売られる全ブランドのダブルに「麦芽2倍」という仕様を保証するものではありません。

昔の由来を覚えるより、今手に取る瓶の度数、色、商品説明を読む方が購入には役立ちます。シングルやExtraなどの名称もありますが、どの醸造所にも同じ4段階の商品がそろっているわけではありません。

トラピストは味ではなく、生産背景を知る別の軸

「トラピストだからトリプル」という関係もありません。国際トラピスト協会のATPラベルは、修道院のすぐ近くでの生産、修道士・修道女による監督、共同体や連帯・慈善活動などへの利益の使用という基準に関わります。味のスタイルや度数をそろえる認証ではありません。

味・スタイルの呼称

Dubbel/Tripelなど

どんな香味の傾向か
生産背景・認証

トラピスト/ATPなど

どこで、誰の監督で造るか
個別の銘柄名

Duvelなど

どの商品を指すか
似て見える名前でも、答えている問いが違います。3つのカードは上下関係や包含関係を表しません。

アビィビールという呼び方も、ATP認証と同一ではありません。ベルギーのビールにはこのほかにも多様な系統があり、全体像を知りたいときはベルギービールの種類を整理したガイドが役立ちます。

ダブルとは?褐色の麦芽感と果実を思わせる香り

ダブルの入口は、パンの焼き目やカラメルのような麦芽の風味です。レーズンやプラムを連想させる果実香が重なることもあり、色だけを見るより「香ばしさの奥に何を感じるか」に注目すると特徴をつかめます。黒く見えるほど濃い色でも、コーヒーのような強い焙煎感が中心とは限りません。

ここで分けたいのが、甘い香りと舌に残る甘さです。香りからデザートを想像しても、飲み込んだ後はすっと引く場合があります。甘口かどうかを探すなら、商品説明の「カラメル」だけで決めず、「ドライ」「後味」などの言葉も一緒に読みましょう。

具体例のWestmalle Dubbelはベルギー産で度数7%。メーカーは麦芽やカラメル、熟したバナナを思わせる香りと、長くドライな余韻を紹介しています。濃色ビールの香りに興味がある人が、苦い焙煎感とは別の方向を探す候補です。

トリプルとは?黄金色の見た目と高い度数のギャップ

トリプルは明るい黄金色が代表的です。果実や胡椒のようなスパイスを思わせる香りに、苦味とドライな後口が重なります。「ダブルより数字が大きいのに色が薄い」のは矛盾ではなく、数字が色の段階を表していないためです。

果実やスパイスの表現は、その食材が入っているという意味ではありません。酵母は糖をアルコールなどに変える発酵の過程で、さまざまな香りも生み出します。また、糖類を使うビールでも発酵で糖が消費されるため、完成品が必ず甘くなるわけではありません。原材料欄と香りの説明は別々に読んでください。

Westmalle Tripelは9.5%で、同社ダブルより明るい色でも度数は上です。炭酸の刺激をしっかり感じるものもあります。華やかで軽快という表現を見ても、低アルコールとは受け取らず、容量と度数を確かめて少量から選びましょう。

クアドルペルとは?豊かな香りと高い度数を楽しむタイプ

クアドルペルは、豊かな麦芽や熟した果実を思わせる香り、高い度数を持つビールを探す際の手がかりになります。ただし、メーカーの商品名、一般的な呼び方、審査で使う分類には違いがあります。真っ黒で、とろりと甘いビールだけを指す名前ではありません。

BJCPのBelgian Dark Strong Aleは、クアドルペルとして語られるビールと重なる分類です。本記事の度数帯もこの参照枠によりますが、両者がいつも同じ意味になるわけではありません。Belgianの語もスタイルの背景を示す場合があり、生産国を保証するものではありません。

名称が分かりやすい例が、オランダのLa Trappe Quadrupelです。通常版の度数は10%で、生産国はベルギーではなくオランダです。樽熟成版などの別商品とは区別し、購入先でも通常版の商品名を確認しましょう。時間をかけて香りを楽しむ候補ですが、必ず3タイプで一番甘いという意味ではありません。

好みで選ぶならどれ?甘み・苦味・料理から選ぶ

香ばしさや褐色系の果実香が好き

パンの焼き目やドライフルーツの香りにひかれるなら、ダブルから商品説明を比べてみましょう。料理ならローストした肉が組み合わせの一案。焼き目の香ばしさと麦芽の風味を重ねる発想ですが、甘いソースが多い場合はビールの甘さの残り方も見て選びます。

華やかで後味がすっきりしたものが好き

果実を思わせる香りとドライな後味が好みなら、トリプルが候補です。魚介や鶏料理との組み合わせは、繊細な香りを楽しむ方向で考えられます。ただし濃いクリームソースと塩焼きでは味の強さが異なるため、料理名だけで相性を決めつけないことが大切です。

少量を時間をかけて楽しみたい

濃密な香りを少しずつ確かめたいなら、クアドルペル系に目を向けてみましょう。熟成チーズやチョコレートは、双方の香りの強さを合わせる提案例です。チーズの塩味、チョコレートの甘さやカカオ感でも印象が変わるので、小さな一口から組み合わせると違いを探しやすくなります。

苦味や強いアルコール感が苦手

この3タイプから無理に選ぶ必要はありません。甘い香りでも苦味やアルコールの温かさを感じることがあり、濃色だから苦くないとも限りません。苦味が苦手な人向けのビール選びも参考に、度数と個別商品の説明を優先しましょう。

違いを確かめやすい銘柄と飲み比べの方法

本記事には広告・アフィリエイトリンクを含みます。

まずは名前と度数を照らし合わせやすい3商品を挙げます。順位ではなく、典型的な違いを知るための候補です。Westmalleの2本は同じメーカーでも色と度数の関係が異なり、La TrappeはQuadrupelという商品呼称と生産国を確認できます。

ウェストマール・ダブル

ウェストマール・ダブルの330ml瓶とグラス
©Brouwerij der Trappisten van Westmalle

ベルギー|7%・330ml瓶|Dubbel / Trappist beer

カラメルや麦芽、熟したバナナを思わせる果実香。柔らかな口当たりとドライな余韻。

淡色ビールとは違う麦芽の厚みと果実香を比較したい人。甘い香りと甘い後味は同じではないことも分かる一例。

ウェストマール・ダブルの商品詳細を見る

商品情報の出典・確認日

2026年10月26日確認。メーカー・協会の製品情報/国内330ml商品の掲載。価格・在庫は購入先でご確認ください。

ウェストマール・トリプル

ウェストマール・トリプルの330ml瓶とグラス
©Brouwerij der Trappisten van Westmalle

ベルギー|9.5%・330ml瓶|Tripel / Trappist beer

熟したバナナを思わせる果実香とホップの香り。クリーミーな口当たりで、苦味を伴う長いドライな余韻。

色の明るさとアルコール度数は比例しないことを実際の銘柄で確かめたい人。

ウェストマール・トリプルの商品詳細を見る

商品情報の出典・確認日

2026年10月26日確認。メーカー・協会の製品情報/国内330ml商品の掲載。価格・在庫は購入先でご確認ください。

ラ・トラップ・クアドルペル

オランダ|10%・330ml瓶|Quadrupel / Trappist ale

麦芽の厚みがあり、デーツやカラメルを思わせる甘い風味をもつ濃厚な味わい。

果実やカラメルを思わせる風味の強い一杯を、少量ずつ時間をかけて楽しみたい人。

商品情報の出典・確認日

2026年10月26日確認。メーカー・協会の製品情報/国内330ml商品の掲載。価格・在庫は購入先でご確認ください。

価格や在庫は購入先で変わります。度数だけでなく容量・容器・本数も確認し、通常版と樽熟成版を取り違えないようにしましょう。シメイが気になっているならシメイ赤・白・青の商品別比較、ロシュフォールならロシュフォール6・8・10の違いで、ブランド内の選択肢を詳しく比べられます。

色→香り→口当たり→後味の順で観察する

色は白い背景で見て、次に香りを短い言葉でメモします。「甘い」だけでなく「パン」「果実」「スパイス」のように分け、その後で炭酸の刺激、厚み、飲み込んだ後の甘さや苦味を確かめましょう。思い浮かぶ食べ物が人によって違っても、正解を当てる試験ではありません。

比較は似た条件で少量ずつ。ただし全商品を同じ温度に固定せず、各メーカーの推奨を優先してください。瓶底の酵母を注ぐかどうかも商品ごとの案内に従います。香りを確かめる器を選ぶときは、ビールグラスの形と選び方も参考になります。

3本を1人で飲み切る必要はありません。複数人で分けたり、別の日に試してメモを比べたりすれば十分です。飲みやすく感じても高アルコールであることは変わらないため、量を抑え、自分のペースで楽しみましょう。

よくある質問

ダブル・トリプルは麦芽やアルコールが2倍・3倍?

共通の倍率規則ではありません。Westmalleは自社ダブルに材料倍増の由来を説明していますが、その歴史を全商品へ当てはめることはできません。購入時は名前から計算せず、実際のラベルの度数を確認してください。

トリプルは3回発酵させるビール?

名前が発酵回数を示すわけではありません。瓶内二次発酵は製法の説明で、トリプルという呼称とは別です。ダブルにも瓶内で再発酵する製品があるため、数字だけで工程の違いを読み取らないようにしましょう。

クアドルペルは必ず甘い?

必ず甘いとは限りません。甘い果実を連想する香りと、口に残る甘さは別の感覚です。クアドルペルと重なるBelgian Dark Strong Aleにも後口の違いがあるので、個別商品の説明で確認しましょう。

トラピストビールとダブル・トリプルはどう違う?

トラピストは生産背景、ダブルやトリプルは香味の傾向を知るための呼称という違いがあります。ATP認証は修道院との関係や監督、利益使途に関する基準です。すべてのトリプルがトラピストではありません。

銘柄のデュベルはダブル?トリプルホップも同じ分類?

DuvelとDubbelは別の名称です。ダブルIPA・トリプルIPAやトリプルホップも、ここで比べた3タイプと同じ並びではありません。デュベルとトリプルホップの商品比較で、商品名の違いを確認できます。

ロシュフォールの6・8・10はアルコール度数?

数字をそのまま6%、8%、10%と読んではいけません。また、3商品をダブル・トリプル・クアドルペルへ順番に当てはめる方法でもありません。商品名と度数を別々に読み、ブランド内の違いを比較しましょう。

まとめ|名前だけでなく色・香り・度数を見て選ぼう

  • ダブル:褐色の麦芽感と果実を思わせる香りが入口。
  • トリプル:黄金色の華やかさとドライさ。見た目より高い度数に注意。
  • クアドルペル系:豊かな香りを少量ずつ。甘さや分類は個別商品で確認。

数字が大きいほど上等ということではありません。まず気になる香りの方向を一つ選び、商品カードの度数とメーカーの呼称を確認する。それだけでも、似た名前の中から自分に合いそうな1本を探しやすくなります。

出典・確認内容(2026年10月26日確認)

Westmalle写真ダウンロード・使用条件 — 写真の使用条件・指定クレジット。

La Trappe公式テイスティングルームメニュー — 通常版Quadrupelの10%・33cl・香味。

香味はガイドラインやメーカー説明に基づく傾向で、実飲による順位付けではありません。料理の組み合わせは編集上の提案です。